Ann Luminage 虚空のこころ

日常や、こころを綴ります。

巡礼をはじめたとき③

前略

 

前回の続きです。

 

Ann Luminage 虚空のこころ

 

不動院をあとにして、六号路入り口を目指します。

 

ケーブルカー乗り場(清滝駅)の左脇の道を進みます。

左側には小川が流れ、緩やかな傾斜になっています。

 

しばらく歩くと右側にお地蔵さんが。

立ち止まり地蔵菩薩のご真言を唱えて手を合わせます。

 

地蔵菩薩のご真言

おん かかかび さんまえい そわか

 

さらに歩くと左側に六号路の入り口が出てきました。

歩いてきたアスファルトの道路とは異なり、山道です。

いよいよ登拝がスタートすると思うと胸が高鳴ります。

 

※以下写真は別日に撮影したものですがご参考まで。

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六号路入り口 2015年3月撮影


門から先に足を踏み入れる前に合唱礼拝。

 

そして、心の中で自己紹介を始めます。

氏名、住所、年齢、職業、さらには現在の悩みまで・・・。

まだ薬王院参拝前なのになぜ?と不思議に思う方もいますよね。

 

こちらも桜井識子さんの書籍で得た知識なのですが、神仏に自己紹介はもちろん、その時の自身の状況や、悩み、頑張っていること、とにかく自分自身のことをたくさん話しかけると神仏は喜んでくれる。とのことでした。

 

折角の山の神様への参拝なので、思いっきり話しかけながら歩を進めました。

いわゆるマシンガントーク

 

地面には木の根っこが飛び出たりしていて、自然の息吹を存分に感じることができます。もののけ姫の世界のよう、と毎回思います。

 

マシンガントークをしながら自然を感じるというのは気持ちの良いもので、だんだん気分が爽快になっていくのを感じます。

 

10分しないうちにびわ滝入り口が出てきました。六号路ルートから右にそれます。

冬季のため修行をしている方はいらっしゃいませんでしたが、手前のお堂に手を合わせます。※お堂より先は修行場のため、修行をする以外の方は入ることはできません。

 

参拝を済ませ、来た道を引き返し六号路へ戻ります。

 

少し傾斜もきつくなってきます。この時が初めての登山ですが、足が止まってしまうほどではなく、気持ちが良かったです。山の斜面には所々雪が残ります。スニーカーで登山をしていたので、登山道にも雪が残っていなくてホッとしました。

※この後も何度も高尾山登拝をしていますが、スニーカーで来たことを激しく後悔した日もあります。幸いケガはしませんでしたが、危険でした。遭難するのでは?と脳裏をよぎるほど。選ぶルートにもよりますが、皆様もお気を付けください。

 

登山道にお祀りされている仏様にも手を合わせながら山頂を目指しました。

 

途中、右側に小川が流れており、登山道から少しに降りると川の水に触れられそうだったので、簡易禊をすることに。

神社やお寺で手水場で手と口を清めますよね。それを川の水でするのです。

こちらも識子さんの書籍で紹介されていたものです。

左手、右手、口を清め、最後に数滴、頭頂部に垂らします。これで簡易禊は完了です。

 

登山道に戻り、山頂を目指します。

 

写経を始めたこと、識子さんのブログや書籍を読んだことがきっかけで高尾山に登拝しようと思ったこと、写経ドリルの著者に会いに行き読経会に参加したこと、仕事であった良いこと、嫌なこと、家族のこと・・とにかくたくさんのことを話しました。

 

リアクションがあるわけではないのに、不思議と心が軽やかになっていくのです。

心の中で話しかけることにより、心の中が整理されるのでしょうね。

憤りを感じた事柄でも話しかけているうちに、別の見方ができたりするのです。

 

しばらく登り、眼下には急こう配が広がります。落ちたら大けがでは済まなさそうです。気を引き締めながら一歩一歩進みます。

 

途中、法螺貝の音が聞こえてきました。山の中で何とも言えない音を響かせており、耳に心地良かったです。なぜかはわかりませんが、気分が高揚したのを覚えています。

 

その後、小川の上の岩を進む道(飛び石)などもあり、登山が初めての私にとっては、とても楽しかったです。小学生の頃の遠足のような気分です。

 

もう少しで山頂というところまで来ると、長い階段が現れました。この階段がなかなかハードなのです。一番の難所かもしれません。上がる息を整えながら登ります。登りきると少し開けた場所に出て、そこを抜けるとアスファルトの道に出ました。緩やかな上り坂です。

 

登り切ると山頂に到着しました。登頂まで晴れた日で、とても景色が良かったです。達成感もあり、登山にハマる方々の気持ちも分かった気がしました。高い山であるほど、道中きつい思いをするほど、達成感があるのでしょうね。

 

平日の早い時間だったこともあり、あまり人は居ませんでした。

富士山も拝むことができました。冬場はより一層空気が澄んでいるので、天候にもよりますが富士山を拝める確率は高いです。

 

一息つき、今度は薬王院を目指すべく、下山を始めました。

一号路のルートで下山します。

薬王院は山頂よりも下にあるため、山頂から一号路で薬王院を目指すと裏側から入ることになります。(逆走となってしまう。)

他のルートで下山すると表から入ることもできるのですが、この日は初めての高尾山ということもあり、ルートのわかりやすさを優先しました。

 

無事に薬王院の周辺に到着しました。

薬王院奥の院の裏から入ります。奥の院のお堂を素通りし、まずは本堂を目指します。

本堂への階段を降りていると、法螺貝が聞こえてきました。法螺貝を吹き鳴らしながら僧侶の方たちが本堂を目指し歩いてきます。

ちょうど、高尾山の僧侶の方たちの勤行の時間のだったようです。

 

本堂の前で、勤行のようすに聞き耳を立てました。薬王院に到着したタイミングで勤行が始まり、私にとっては最高でした。というのも、参拝のタイミングで勤行が始まったり、お祓い、結婚式などに遭遇できるのは歓迎の証、と識子さんも書かれていたので、非常に嬉しくなったのでした。

 

勤行が終わり、参拝をすることに。

薬王院には飯縄大権現がお祀りされています。

 

南無飯縄大権現 なむいづなだいごんげん

 

と三回唱え、手を合わせました。飯縄大権現とご縁がいただけるという縄もあり、そちらの縄を握りながら唱えると飯縄大権現とご縁がいただけるとのことです。

 

本堂向かって右側には大きな天狗様が、左側にはカラス天狗様が飾られています。迫力があり、目を奪われます。(今でも登拝する度、見入ってしまいます。)

 

その後本堂周辺を散策。愛染明王のお堂を発見し、参拝します。

愛染明王のご真言は長く、未だに覚えられません・・・。

参拝者がご真言が唱えられるよう、ご真言が書かれた看板があるので皆様も見ながらご真言を上げることをおすすめします。

 

続いて大師堂です。

空海さんだ!!!と思い、手を合わせご宝号と般若心経を上げます。

大師堂の周りはぐるっと回れるようになっており、こちらも一周しました。

※高尾山内八十八大師という、四国八十八か所参りをしたのと同じご利益が得られる高尾山内での巡礼があるようで、大師堂の周囲はその札所の一部となっているようでした。

 

その後、今度は先ほど通り過ぎた奥の院を目指します。

その手前にある本社にも参拝しました。

薬王院は神社とお寺が一緒になっている、神仏習合のお寺です。

神仏習合 - Wikipedia

 

奥の院参拝も終え、薬王院をあとにします。山門を出てから仏舎利塔を目指しました。

 

仏舎利塔では不動明王真言と般若心経を上げました。仏舎利塔脇に苦抜け門と書かれた石の門を発見。十善戒*1が書かれた門が続いていました。

十善戒も、読経会で教わっていたので、門をくぐりながら思わずわくわくしていました。ちょっと不謹慎ですね。

 

十善戒 

不殺生 ふせっしょう むやみに生き物を傷つけたり殺さない

不偸盗 ふちゅうとう もの(財物)を盗まない

不邪淫 ふじゃいん 邪淫をしない

不妄語 ふもうご 嘘を言わない

不綺語 ふきご 無理に飾り立てたことを言わない

不悪口 ふあっく 悪い言葉遣い(乱暴な物言い)をしない

不両舌 ふりょうぜつ 二枚舌を使わない

不慳貪 ふけんどん 欲張らない

不瞋恚 ふしんに 怒ったり憎まない

不邪見 ふじゃけん 間違ったものの見方をしない

 

口に関することだけ4つも含まれています。

口は災いの元 とはよくいったものです。

 

すべての門をくぐり、戒めを胸に下山をしました。

 

一号路での下山でしたが、アスファルト舗装されているので歩きやすいとは言え、なかなかの傾斜です。メジャーではありますが一号路で登ることを考えると少しゾッとしました。お子様連れの方や、軽装の方(ハイヒール!の方も稀にいらっしゃいます。)も多くお見掛けするので、簡単な登山、レジャーを楽しみたい方には一号路はおすすめです。

 

私は、より自然を感じられて、清々しい気持ちになれる六号路で登るのがお馴染みとなりました。

※山頂から薬王院を目指し、薬王院表から参拝したいときでなおかつ時間の余裕があるときは別ルートをとるようにしています。

 

無事下山した時には、すっかり心が洗われたような気がして、非常に良い心持ちでした。初めての登拝で高尾山が大好きになり、5年経った今でも落ち込んでいる時や、迷いがあるとき、何か決意をしたときなどに登拝しています。私にとって高尾山はお守りのような存在です。厳かな雰囲気がありながらも、優しく包んでくれるような、そんな霊山です。

 

登山未体験の方、霊山の空気を感じたい方、おすすめです。

 

それから、勤行やお護摩祈祷が行われていないときはどなたでも本堂内にて参拝することができます。写経を納める場所も本堂内左側にあるので、私は毎回本堂の中に入らせていただき参拝をします。ありがたいことに、勤行のタイミングで薬王院に到着することも多いのでその場合は勤行終了まで待ち、写経を納めています。

仏様を前に読経に集中する時間は、心が清められるような感じがして贅沢な空間です。

 

お経は読めないよ、という方も多いと思いますが、気持ちを込めて手を合わせるだけでも良いのです。初めての時は勇気がいると思いますが、一歩踏み出して本堂に入らせていただくことをお勧めいたします。

(くれぐれもマナーはお守りくださいね。本堂内撮影禁止のお寺も多いです。)

 

余談ですが、私はお賽銭は大体千円札を入れます。お気に入りの神社仏閣や、初めての参拝の場所でも直感でそうしています。金額が多ければ良いというわけでもないですが、気持ちとしてお札を入れることにしています。もちろん無理がない範囲でですが・・・。

お賽銭に関しては、いずれ記事に出来たらいいなぁと思っております。

 

追伸

帰りの電車は途中、高幡不動駅で下車し、高幡不動尊に参拝しました。 

https://www.takahatafudoson.or.jp/

 

大師堂の空海さんの像が非常にリアルで見ごたえがありました。

 

大ボリュームの巡礼二日間となり、この両日を境にますます神仏が好きになり、写経もたくさん浄書するようになりました。こののち、たくさんのご縁にもつながります。

またぽつぽつと書いて参りますのでよろしくお願いいたします。

 

コロナウイルスの影響から、株価暴落、学校が休校になったり、テーマパークの閉園、手に入らない品物も多く、混沌とした世の中となりつつあります。

不安が募る日々ですが、こんな時こそ前向きに過ごしたいものですね。

むやみな買い占めなどはしないよう、心がけております。

手洗い、うがいをしっかりして、なるべく身を守れるよう生活しようと思います。

みなさんも体調管理にはくれぐれもご留意ください。

 

最後までお付き合いいただきまして感謝申し上げます。

 

早々

虚空

 

 

*1:真言宗十の戒め